映像送信型性風俗特殊営業の届出

目次

1. 映像送信型性風俗特殊営業とは?

客に性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業のうち、これらの映像を専ら見せるものであって、かつ、客の性的好奇心をそそるため見せるものが映像送信型性風俗特殊営業に該当します。

それぞれの文言の定義については、警察庁の解釈運用基準で次のように記述されています。

性的な行為を表す場面自慰行為、性交、性交類似行為等を行っている人の様子や光景
衣服を脱いだ人の姿態全裸又は半裸等社会通念上公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態
映像静止映像及び動画
専らおおむね7割ないし8割程度以上を指し、営業者の意図及び営業の実態を踏まえて判断する
性的好奇心をそそるため客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるもの

1.1 業態の概要とサービスの種類

映像送信型性風俗特殊営業とは、インターネットや通信システムを活用して、顧客に性風俗に関する映像やライブ配信を提供するサービスです。主に以下のような種類があります:

  • ライブチャット:パフォーマーと顧客がリアルタイムでコミュニケーションを取る形式
  • 録画配信:事前に収録した映像を顧客に提供する形式
  • インタラクティブサービス:顧客のリクエストに応じて即興でサービスを提供

この業態は、対面型の風俗サービスと異なり、設備投資が少なくオンラインで完結するため、近年参入者が増えています。

1.2 海外でサーバーが管理されている場合

海外で管理されているサーバーを利用しているから届出が不要という話もよく聞きますが、風営法解釈運用基準では、はっきりと否定しています。風営法ではサーバーが管理されている地域は問われません。海外サイトを活用しているから映像送信型性風俗特殊営業の届出は不要と考えるのは早計です。

届出の対象となるのは、我が国において営業を営んでいる者であり、客に見せる映像が蔵置されている自動公衆送信装置(サーバー)の所在地を問わない。(解釈運用基準18-4(7))

1.3 市場規模と参入の魅力

近年、インターネットの普及や新型コロナウイルスによる生活様式の変化で、オンラインエンターテイメントの需要が急増しています。この市場は将来的にも成長が期待されており、参入には大きな可能性があります。


2.AV新法への対応

2.1 AV新法への対応

令和4年から「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」が施行されています。(以下AV新法)
自分以外の出演者がおり、「性行為映像制作物」に該当する場合、AV新法に対応する必要があります。

性行為映像制作物とは、AV新法では下記の通り定義されています。

 この法律において「性行為映像制作物」とは、性行為に係る人の姿態を撮影した映像並びにこれに関連する映像及び音声によって構成され、社会通念上一体の内容を有するものとして制作された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)又はこれに係る記録媒体であって、その全体として専ら性欲を興奮させ又は刺激するものをいう。AV新法第2条2項

一般的なアダルト作品であれば、ほぼ該当することとなります。個人でアダルト動画を制作する場合において、例えば夫婦間やパートナーとの性行為に係るアダルト動画を制作する場合であっても、AV新法に基づく規制の対象となる点はご注意ください。異性の記載はないので、同性向けの作品なども該当します。


3.映像送信型性風俗特殊営業開始届に必要な書類と準備すべきこと

映像送信型性風俗特殊営業を開始しようとする者は、営業開始の10日前までに、事務所の所在地を管轄する警察署の生活安全課に映像送信型性風俗特殊営業開始届を提出することにより、都道府県公安委員会に対する届出を行う必要があります。

申請する場合は営業の本拠となる事務所を定める必要がありますが、風俗営業許可申請等で求められるような人的要件・場所的要件はありません。ご自宅を事務所として使用することも可能ですが、賃貸借物件の場合は登記簿上の所有者の方から使用承諾を頂く必要があります。

物件を賃借して営業をしようとされる場合は、事前にしっかりと説明を行い、必ず登記簿上の所有者の方から承諾を得るようにしてください。

また、届出単位はサイトごとになります。複数のサイトを運用している場合はサイトの数に応じた申請となります。

届出に必要となる書類

  • 映像送信型性風俗特殊営業開始届
  • 営業の方法
  • 事務所の使用権限を疎明する書類
  • 事務所の平面図
  • 営業者・役員全員の住民票の写し
    (日本人にあっては本籍、外国人にあっては国籍が記載されたもので、マイナンバーが記載されていないもの)
  • 定款及び登記事項証明書
    (法人の場合)

映像送信型性風俗特殊営業開始届

公安委員会への届出事項は下記の通りです。

公安委員会への届出事項

  1. 氏名又は名称及び住所 法人の場合は代表者の氏名
  2. 広告宣伝する場合に使用する呼称
  3. 事務所の所在地
  4. サイトのURLや電話番号
  5. サーバー設置者の氏名又は名称及び住所

上記の事項を届出書に記載して提出します。届出書は別記様式第31号として様式が決まっており、警察署のHPからダウンロード可能。氏名や名称、住所は住民票と登記事項証明書の通りに記載しなければ届出は受理されませんのでご注意を。

事務所の使用権限を疎明する書類(使用承諾書)

事務所の使用権限を疎明する書類(使用承諾書)とは、事務所の使用権原を持つ者から「映像送信型性風俗特殊営業をしてもよい」という承諾があることを証する書類です。
事務所の使用権原を持つ者から「事務所を貸したが性風俗特殊営業をするなんて思っていなかった」なんてトラブルが起こらないように、事前に使用を承諾してもらうためのもの。原則的には、建物の所有者→営業者(賃借人)に対してとなります。もし、所有者が複数いる場合はすべての所有者から使用承諾書をもらう必要があります。

その他任意で必要となる書類も

規定された添付書類以外に、警察署によっては追加書類を求められることがあります。例えばインターネット契約を疎明する書類など。また、場合によっては上申書(理由書)が必要となるケースもあります。ただし、都道府県の公安委員会によってかなり対応が異なる部分もあります。

4. 届出確認書の受領から営業開始まで

映像送信型性風俗特殊営業の届出が受理された10日後から営業が可能となります。警察から連絡がきたら届出確認書を受け取りに行きましょう。届出確認書が交付されたからといってすぐに営業を開始することができるわけではなく、届出後10日を経過するまで営業を開始することができません。また、届出確認書は事務所に掲示する必要があるほか、これを広告宣伝や求人活動の際に提示することが義務付けられています。行政書士などに申請を委任している場合、届出時か受領時のいずれかで申請人の同行を求められることがあります。

5. まとめと相談のご案内

5.1 映像送信型性風俗特殊営業を成功させる秘訣

性風俗特殊営業は届出となるので風俗営業許可と比較して簡易的ではありますが、警察の審査が緩いというわけではありません。むしろ風俗営業と比較しても厳しい指摘を受けることもあります。また事務所を賃貸する場合は上記のように手間もかかり、思わぬ時間を必要とすることがよくあります。弊所では、物件の選定から書類の作成、申請までトータルでサポートいたします。正確な届出と法令遵守し、トラブルを未然に防ぐため、専門家のサポートを活用することも検討してみて下さい。

5.2 「どんな小さな疑問でも大歓迎です!」まずは無料相談から


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