― 似ているようで、法的にはまったく別物 ―
「業務委託だと思っていたら、実は名義貸しだった」
これは、後から行政指導や処分につながりやすい典型的なケースです。
一見すると似ているこの2つですが、法律上は明確に違います。
目次
業務委託とは
業務委託とは、
**「業務の完成や遂行を、他人に任せる契約形態」**です。
ポイントは次の3つです
- 実際に業務を行っているのは委託先本人
- 業務の進め方について、ある程度の裁量がある
- 報酬は「時間」ではなく「仕事の結果」に対して支払われる
行政実務での例
- 許認可申請の書類作成を、外部の専門家に依頼する
- 設計や調査業務を、別事業者に委託する
このように、**「実態として業務を行っている」**のであれば、業務委託は適法です。
名義貸しとは
一方、名義貸しとは、
**「資格・許可・登録などの名義だけを貸し、実際の業務を行っていない状態」**を指します。
典型的な特徴
- 名義人は実際の業務に関与していない
- 書類や看板、契約上の名前だけを使っている
- 実質的な業務は、別の無資格者・無許可者が行っている
問題点
名義貸しは、多くの法律で明確に禁止されています。
- 行政の監督が形骸化する
- 責任の所在が不明確になる
- 利用者・取引先を誤認させる
そのため、刑事罰・行政処分・許可取消の対象になることも珍しくありません。
業務委託と名義貸しの決定的な違い
| 観点 | 業務委託 | 名義貸し |
|---|---|---|
| 実際に業務を行う人 | 委託先本人 | 名義人以外 |
| 名義の使われ方 | 実態に即している | 実態とズレている |
| 法的評価 | 適法 | 違法となる可能性が高い |
「契約書がある=安全」ではない
実務上よくある誤解が、
**「業務委託契約書を作っているから問題ない」**という考えです。
しかし、行政や裁判所が重視するのは
👉 **契約書の名前ではなく、実際の業務の中身(実態)**です。
- 誰が判断しているのか
- 誰が責任を負っているのか
- 名義人は実際に関与しているのか
これらが伴っていなければ、業務委託でも名義貸しと判断される可能性があります。
まとめ(行政書士として伝えたいこと)
- 業務委託は「実態が伴っていれば」適法
- 名義貸しは「名前だけ」のため、原則NG
- 判断基準は契約書よりも業務の実態
「これは業務委託だから大丈夫」と自己判断せず、
不安がある場合は、事前に専門家へ相談することが重要です。


コメント